税務相談室
※法改正により、内容が変更になっている場合があります。
平成22年02月15日発行

遺言について

(第37号)

遺言のすすめ

自分が死んだあと「家族は仲良く暮らしていくだろうか」「妻の面倒は十分見てくれるだろうか」「財産は分散しないだろうか」など悩みの種は尽きません。そんなとき、遺言をしておけば死後のトラブルを未然に防止することができます。
ここで「遺言」は、法律的には「いごん」と読み、「ゆいごん」と読めば日常的な生活の言葉になります。
遺言は人生最後の意思を法的に保護し、それを死後に実現するための制度ですから、遺言の内容が疑いのない本人の意思として明確に伝わるものでなければ、遺された人達を混乱させてしまいます。 そこで、民法は遺言の様式を厳格に定め、これに従ったものだけを有効な遺言としています。

公正証書遺言とは

民法では、普通方式の遺言として、自筆証書遺言、秘密証書遺言、そして公正証書遺言の3種類を定めています。公正証書遺言というのは、遺言者本人が口頭で述べた内容を公証人が筆記し、これを公正証書としてまとめたものです。
公証人は裁判官や検察官などを経験した法律の専門家ですから、様式の不備によって遺言が無効になるおそれは少なく、口述した内容を的確に文書化してくれます。
公正証書遺言を作成するためには、遺言者は証人と共に公証役場に行かなければなりませんが、遺言者が重い病気などで動けないときは、自宅や病院まで公証人に来てもらうこともできます。

証人について

公正証書遺言を作るには2人以上の証人を必要とします。証人は遺言書の作成に立会い、確かに本人の意思で遺言がなされたことを確認しますが、借金の保証人のように遺言の内容に責任を負うものではありません。
証人には、正常な判断能力のない人や、遺言の内容に利害関係を持つ人はなれません。一般的には、相続権のない親戚や信頼できる友人などが証人として想定されますが、秘密保持の観点から、弁護士や税理士などに依頼することが多いようです。
周りに証人となる適当な候補者がいないときは、公証役場で紹介してもらうこともできます。

長所と短所

公正証書遺言は、その原本が公証役場に保管されますので、紛失したり、隠蔽や偽造されたりするおそれはありません。また、相続が発生したときにも、公正証書遺言は家庭裁判所の検認を受ける必要がありませんので、直ちにその内容を実行に移すことができます。すぐに預金を引き出さないと生活できないとか、医療費が払えないなどの事情があるときは、遺された家族も助かります。
一方、公正証書遺言の作成に際しては公証人と証人が参加しますので、秘密が保てないという欠点があります。



ハッピーハウス税務相談室
税理士 坂西 史也
 
目次へ戻る>>


福岡の地主さんからもご満足の声を多数頂いております。
建てるなら 借りるなら

このページのトップへ